
天井クレーン
建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ上を走行するクレーンで、ちょうど建屋の天井をクレーンが走るようになるのでこの名がある。
屋外に設けられたランウェイ上を走行するクレーンも、同じ構造、形状のものは天井クレーンと呼ばれる。天井クレーンは、主にトロリの構造により分けられ、次のものが多く用いられる。
クレーンとは
クレーン(英: crane、クレィン)は、荷物を吊り上げたうえで移動させる機械です。
日本名は起重機(きじゅうき)と呼んでおりましたが1957年(昭和37年)に制定されたクレーン等安全規則の施工に伴い、従来の"起重機"から正式に"クレーン"と呼ばれるようになりました。
クレーンには、さまざまな種類があり、それぞれの用途や作業環境に応じた特徴を持っています。
適切なクレーンを選ぶことで、作業効率が向上し、安全性も確保されます。
ホイスト?これもクレーン?
クレーンとホイスト、
実は、どちらも"重いものを吊り上げて動かす"機械ですが、
クレーンは"移動して吊り上げる"機械
クレーンは、荷物を上下に動かすだけでなく、横にも動かせる装置です。
工場内はもちろん、建設現場や造船所など、あらゆる現場で活躍します。
【代表的なクレーンの種類】
ホイストは"吊り上げ専門"の装置
ホイストは、簡単に言うと「吊り上げる部分だけを担う機械」。
単体では使えず、クレーンの一部として組み込まれたり、レールに沿って動く小型の装置として使われます。
【特徴】
大規模・広範囲の現場にはクレーン(重機・建設系)
工場内や限られたスペースにはホイスト(製造・加工系)
項 目 | クレーン | ホイスト |
---|---|---|
主な用途 | 吊る+移動する | 吊るだけ |
構 造 | 大型・複合構造 | 小型・単機能 |
使われ方 | 独立して動く | 他の装置に組み込まれる |
操 作 | 門資格が必要なことも | 操作は比較的シンプル |
クレーンの種類
建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ上を走行するクレーンで、ちょうど建屋の天井をクレーンが走るようになるのでこの名がある。
屋外に設けられたランウェイ上を走行するクレーンも、同じ構造、形状のものは天井クレーンと呼ばれる。天井クレーンは、主にトロリの構造により分けられ、次のものが多く用いられる。
天井クレーンのクレーンガーダの両端に脚を設け、地上または床上に設けた走行レール上を走行させるようにしたクレーンである。屋外に設置されることがほとんどで、走行レールの外側に作業範囲を拡大するため、カンチレバを設けたものもある。また、ふ頭における貨物船などの荷役に用いられるものは、船の出入りを妨げないよう、カンチレバが起伏するようにしたものが多い。橋形クレーンは、トロリの構造により分けられ、ホイスト式、クラブトロリ式、口ープトロリ式、マントロリ式があり、そのほかトロリに旋回マントロリを用いた旋回マントロリ式やトロリの代わりに、引込みクレーンや低床ジブクレーンをのせた、引込みクレーン式またはジブクレーン式橋形もある。クラブトロリ式橋形クレーンで、巻上げおよび横行装置を備えたクラブがクレーンガーダ上を横行するもので、運転室は、通常脚の部分に設けられる。
ふ頭等におけるコンテナの陸揚げ、積込み用として、コンテナ専用のつり具(スプレッダ)を備えたものは、コンテナクレーンと呼ばれることもある。また、陸揚げされたコンテナの運搬に使用される橋形クレーンには、タイヤ付きのものもある。
橋形クレーンは、一般の機械工場における機械や部品の運搬などに用いられるほか、ふ頭における貨物の取扱いなどに広く用いられる。
ジブを有するクレーンで、天井クレーンに次いで多く用いられ、その種類も極めて多く、次のようなものがある。
船から、ばら物を陸揚げする専門のクレーンであって、橋形クレーン式と引込みクレーン式に大別される。多くの場合、ばら物を受け入れるためのホッパとコンベヤ(機内コンベヤという。)が組み込まれている。橋形クレーン式アンローダは、橋形クレーンと同様に、クラブトロリ式、ロープトロリ式、マントロリ式、旋回マントロリ式などの種類があり、引込みクレーン式アンローダは、ダブルリンク式がほとんどである。
引込みクレーン式アンローダである。岸壁に直角な引込み運動のほか、旋回を併用して作業ができる。また、バケットとフックの取替えも比較的容易で、機動性のあるアンローダといえる。
ニつの塔間に張り渡したメインロープ上をトロリが横行する形式のクレーンで、スパンの長いものが多い。また、メインロープの両端に高低差のあるものもある。ケーブルクレーンには、両塔固定の固定ケーブルクレーン、片側の塔のみが走行する片側走行ケーブルクレーン、両塔が走行する両側走行ケーブルクレーンなどがある。走行ケーブルクレーンの中には、固定塔またはアンカ間にロープを張り、この口ープをレールとしてメインロープ端が走行するものがあり、軌索式ケーブルクレーンと呼ばれる。片側走行ケーブルクレーンである。これはメインロープを支持する両側の塔のうち、一方を固定し他方が円弧状のレールを走行する形式のもので、有効作業範囲は固定端を中心とした扇形の内部となる。ダム工事、河川の改修、橋梁の架設などの土木工事に用いられる。
荷の上げ下げとレールに沿った移動(横行)のみを行うクレーンをテルハといい、工場建屋・倉庫等の天井に取付けられたI形鋼の下フランジに電気ホイスほたは電動チェーンブロックをつり下げた簡単な構造のものが多い。運転は、床上で操作するものが多いが、運転室がトロリに設けられたものもある。その作業範囲はI形鋼に沿った線上のみである。用途としては、機械工場における材料、製品の取扱い用、倉庫や駅構内などにおける小規模の荷役用で、簡単で取扱いが容易なため広く用いられる。テルハのうち、鉄道において、手荷物を積んだ台車などをつり上げ、線路をこえて運搬するために使用されるものは、特に跨線テルハと呼んで区別される。
直立したガイドフレームに沿って上下するフォーク等を持つもので、倉庫等の棚に対する荷の出し入れに用いられる。スタッカークレーンには、運転室または運転台が巻上げ用ワイヤロープまたはチェーンによりつられ、常時荷の昇降と共に昇降するスタッカー式クレーンと、運転室または運転台を備えないか、もしくは運転室または運転台が荷と共に昇降しない荷昇降式スタッカークレーンに大別され、これらはいづれもランウェイ上を走行する天井クレーン型、床上に備えた走行レール上を走行する床上型およびラック上部等に備えられた走行レールから懸垂されて走行する懸垂型に細分され、昇降(荷の上下)、フォーキング(フォークの出し入れ)、走行の運動をする。
クレーンの種類
紀元前から活躍中!?
今では工事現場や工場で当たり前のように使われているクレーン。
実はそのルーツ、2000年以上も昔の"人力装置"にあるって知っていましたか?
クレーンの歴史は紀元前6世紀、古代ギリシャにまでさかのぼります。
当時の建築現場では、滑車やてこを使って石を持ち上げるための装置が使われていました。
これが、今のクレーンの"はじまり"です。
時代が進むと、中世のヨーロッパでは水車や風車の力を使ってクレーンを動かすようになりました。
建物の高層化にともない、より高く、重いものを吊るための大型の回転式クレーンが誕生。
8~19世紀の産業革命では、蒸気機関が登場し、クレーンも本格的に"機械化"されました。
その後、電動・油圧・無線操作といった技術が加わり、現代のクレーンへと姿を変えていきます。
クレーンは、人が「もっと高く、もっと重いものを運びたい」と願ったところから生まれました。
私たちが今使っているクレーンは、そんな人類の知恵と技術の積み重ねの"集大成"なんです。
「クレーンって西洋の技術でしょ?」実は、日本でもかなり昔から"吊り上げる技術"は使われてきました。そして、"機械としてのクレーン"が登場したのは明治時代。ここでは、日本におけるクレーンのはじまりを紹介します。
江戸時代、城や橋を作る現場では、人力で石を持ち上げる滑車式の装置が使われていました。
いわば"日本版のホイスト"のようなもので、てこ・滑車・ロープを組み合わせた「人力クレーン」とも言える存在です。
日本に"蒸気式クレーン"が初めて導入されたのは、明治時代。1872年、横浜港の整備のためにイギリスから輸入された「スチームクレーン」が、日本における最古の本格的なクレーンと言われています。
【その特徴】
なんとこのスチームクレーン、今も現物が残っています!神奈川県横浜市にある「横浜赤レンガパーク」に展示されており、"日本最古のクレーン"として貴重な文化財になっています。
日本で最初のクレーンは、明治の港からはじまりました。
人の手から始まり、蒸気、そして電動へ。日本のクレーンもまた、国の発展とともに進化してきたのです。
クレーンって誰でも操作できるの?
「クレーンって西洋の技術でしょ?」実は、日本でもかなり昔から"吊り上げる技術"は使われてきました。そして、"機械としてのクレーン"が登場したのは明治時代。ここでは、日本におけるクレーンのはじまりを紹介します。
操作には「免許」が必要!クレーンの種類によって異なりますが、操作には国家資格が必要です。
たとえば、移動式クレーン運転士(クレーン車を運転)、床上操作式クレーン運転技能講習(工場内でリモコン操作)など、専門知識と実技の試験をパスしないと操縦はできません。
現場で問われるのは"操作技術"だけじゃない!
風の強さ、地面の状態、吊る物の重心…。クレーンの安全な運転には、現場の状況判断や周囲との連携がとても大切です。だからこそ、私たち整備士は、常にクレーンが"安全に動ける状態"を守り続けています。
安全のカギは「整備」にあり!「動く」=「安全」ではありません。
どんなにベテランのオペレーターでも、機械に不具合があればリスクはゼロになりません。
定期的な整備・点検が、すべての現場の安全を守る土台なのです。
クレーンは、資格を持ったプロしか操作できません。
そして、そのプロが信頼して使えるように、私たち整備のプロが支えているのです。